オオクニヌシは、荒ぶる神スサノオに比べ、どうもひ弱な印象があります。
でも彼にはいつも、助けてくれる存在がいます。
オオクニヌシはこれから日本を統一していく重要な神様ですが、
最初は兄たちにめっちゃいじめられてますし。
しかし生真面目な性格からコツコツ努力を重ね、誰にでも愛される優男となりました。
めっちゃモテます。
国のトップが、圧倒的なパワーを持ち、エネルギッシュなパワープレイヤーではないところが、実は日本が世界最長の国であるポイントなのだと思います。
さてさて、焼け野原から無事に生還したオオクニヌシ。
スサノオはオオクニヌシを、自分の宮殿に招きます。
広く大きな部屋に連れてこられたオオクニヌシ。
「俺の頭のシラミを取ってくれんかい?」
と言われます。
シラミを取ろうとスサノオの頭を覗き込むと…
そこに蠢いていたのは、シラミではなくムカデ!!!
またここでもスセリビメが助け舟を出します。
「椋の実を噛んで『ぷち』っと音を立て、赤土を口に含んで唾と吐き出してください。そしたら父はあなたがムカデを噛み殺していると勘違いすると思いますんで。」
言われた通りにやっていると、スサノオは「こいつ、健気だなぁ」と気分が良くなり、ウトウトし始めました。
そしていつの間にか眠ってしまいました。
チャンスきたー!!!
オオクニヌシは寝ているスサノオの髪の毛を、部屋の太い柱に結び付けます。
ついでに部屋の入り口を、大きな岩で塞ぎます。
スセリビメと共に家を出る時、スサノオの持つ
『生太刀(いくたち)・生弓矢(いくゆみや)・天の沼琴(あまのぬこと)』を持っていくことにしました。
(生太刀と生弓矢はスサノオの武力を、沼琴は宗教的権威を象徴しています。)
しかし、あわてんぼうオオクニヌシ。
木の枝に沼琴の弦をひっかけてしまい、地鳴りほどの大きな音を立ててしまったのです。
その音で目覚めたスサノオ。
しかし髪の毛が柱に括り付けられていたためなかなか動き出せません。
そこでスサノオはもう家ごと引き倒して、二人を追いかけようとします。
なんとか追いかけるスサノオ。
逃げる二人。
黄泉比良坂まできたところで、逃げゆく二人に叫びます。
「その剣と弓矢、おまえにあげるからー!!
それを使って意地悪兄貴たちをやっつけて、
お前が出雲国の王になるのだ!
大国主として、立派な国を作れー!
そしてうちの娘を正妻にして、壮大な宮殿を建て、幸せになれー!
オオクニヌシはスサノオに言われた通り、
八十神たちを追い払い、出雲に初めての国を作りました。
ここから、オオクニヌシの国づくりの物語が始まります。
その様子は、また次回!
注)前にも書きましたが、オオクニヌシはずっとオオアナムジという名でした。
スサノオに認められた際に、『オオクニヌシ』と『ウツシクニタマノカミ』という名をもらっています。
わかりやすいようにずっとオオクニヌシと書いてます。あしからず。
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