弟スサノオの狼藉に耐えかねたアマテラス。
天岩戸に引きこもってしまいました。
世界は暗黒に呑まれ、様々な災いが襲います。
困った八百万の神々は、天の安の河原(あめのやすのかわら)に集まって色々と考えを巡らせます。
知恵の神『オモイカネ』に相談したところ、その解決策はなんと『祭り』。
神々揃って、岩戸の前で盛大に祭りをしようというのです。
まずは常世の長鳴鳥(ニワトリ)が集められ大合唱。
次にイシコリドメが八咫鏡(やたのかがみ=三種の神器その1)を、
タマノオヤノミコトが八尺勾玉(やさかのまがたま=三種の神器その2)を作りました。(三種の神器その3は、しばらくあとのお話で出てきます。)
いよいよ祭りの始まりです。
榊に八咫鏡をつけた供物をフトタマが持ち、
アメノコヤネが祝詞を奏上、
岩戸のそばには、力自慢のタヂカラオが隠れて立っています。
祭りの主役はアメノウズメ。
逆さまにした桶の上で、乳も露わに激しく神楽を舞い踊ります。
八百万の神は大笑い。
なんとも賑やかな祭りになってきました。
岩戸に隠れたアマテラス。
外から聴こえる楽しげな笑い声を不思議に思います。
アマテラスは岩戸を少しだけ開け、外にいるアメノウズメに尋ねます。
「私が閉じこもっているから、外は真っ暗闇のはず。
なのにどうしてみんなは、舞い踊ったり笑ったりしているの???」
アメノウズメが答えます。
「アマテラス様より尊い神様がいらっしゃるので、
みんな喜んで、楽しんでるんですよ〜。」
そう言っている間に、アメノコヤネとフトタマが岩戸の隙間に八咫鏡をすっと差し入れ、アマテラスを映して見せました。
鏡に移った太陽の神を見てアマテラスはびっくり。
「私と同じ太陽の神がいるっていうの?!」
もう気になってしょうがないアマテラスは、岩戸をゆっくり開けて外を覗こうとします。
その時…
岩戸の脇に隠れていたタヂカラオがアマテラスを外に引っ張り出し、
すかさずフトダマが岩戸にしめ縄を張りました。
神々の策は、見事大成功!
岩戸からアマテラスが出てきたことで、高天原(たかまのはら=天上)にも芦原中国(あしはらなかつくに=地上)にも、再び明るさが戻りました。
スサノオ、追放される。
こんな大騒動の原因はそう、暴れん坊スサノオ。
八百万の神々は相談して、スサノオの髭を剃り、手足の爪を抜いて、高天原から追放しました。
ついに高天原を追放されたスサノオ。
舞台は芦原中つ国(あしはらなかつくに=地上)へと移ります。
そんなスサノオのお話はまた次回。
おまけ
天岩戸神社や天の安の河原は、宮崎県高千穂にあります。(地元アピール)
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