激しい夫婦喧嘩の末、黄泉の国から戻ってきたイザナキ。

「私はなんとも嫌な、穢らわしい国に行ってしまったもんだ。身を清めよう。」

そしてやってきたのは

『笠紫(つくし)の日向(ひむか)の橘(たちばな)の小門(おど)の阿波岐原(あわぎはら)』

その所在地については色々とありますが、私の故郷である宮崎県だと思ってます。

古代において『筑紫=九州』ですし、かつて宮崎県は『日向の国』ですし、市内各所に『橘』や『おど(小戸)』『阿波岐原』という名前が残っています。

禊のくだりのみならず、天岩戸も天孫降臨も、海幸・山幸の物語も、神武東征のお船出も、全部宮崎なのです。

郷土愛は置いといても、てっげいいとこやじー
(とってもいいところですよ)。
県のHPも秀逸なので、是非ご覧ください。
http://www.kanko-miyazaki.jp/shinwanofurusato/index.html

穢れを海で洗い流す、『禊』を行います。

ちなみに神社に詣でた際にまず最初に『手水舎』で手や口を清めるの行為は、

この『禊』の簡略版だと言われています。

禊で生まれた神々

阿波岐原についたイザナキはまず、着ていた物を次々に外します。

脱ぎ捨てた着物などから、十二柱の神様が生まれます。

洗い流れた垢から禍(まが;災厄)の神が二柱。

その禍を直そうとする神が三柱。

水の底・中ほど・水面で身を濯いだときに六柱。

次々に神が生まれます。

そして最後に、顔をすすいだとき…

日本神話において最も貴いとされる

三柱の神様が誕生します。

三貴神の誕生

左目からは、大陽の神であるアマテラス(天照大御神)

右目からは、月の神ツクヨミ(月読命)

鼻からは、嵐の神で荒ぶる神スサノオ(建速須佐之男命)

イザナキは「三柱の貴い子を得た」と喜び、

アマテラスには高天原、

ツクヨミには夜の国、

スサノオには海原を、

それぞれ『知らす(治める)』よう命じました。

ところがどっこい。

海原を知らせと言われたはずのスサノオは、国を治めるどころか泣き喚いてばかり。

「母が恋しいよー!!!!会いたいよーーー!!」

なんと、母であるイザナミのいる根の国に行きたくて泣いていたのです。

それを聞いたイザナキは激怒。

そんな奴はこの国から出て行けー!!!!」

父神に追い出されてしまったスサノオ。

ここから彼の放蕩劇が始まります。

ほんと、荒くれ者、放蕩息子。

では続きはまた次回。