本日の舞台は…
宮崎日南の『鵜戸神宮』
荒波打ちつける断崖絶壁の中腹に位置し、全国でも珍しい『下り宮』の一つです。
(階段降りたら本殿があること)
本殿は薄暗い洞窟の中にあります。
本当は綺麗なとこです!
宮崎の海を満喫できるドライブコースとしても最高です。
さてさて、兄弟喧嘩にも決着がついた山幸。
その頃海神の宮では、山幸の妻であるトヨタマビメが出産を控えていました。
「天つ神の御子を海で生む訳にはいかないわ!」
と、山幸のもとへやってきます。
鵜の羽を茅の代わりに葺いて産屋を建てますが、屋根を葺き終える前に産気づいてしまいました。
慌てて、葺き途中の産屋へ入るトヨタマビメ。
夫である山幸に言います。
「他の国の者は、どうしても出産の時に元の姿になってしまうんです。
だから絶対、産屋の中を見ないでくださいね!」
当然覗いた山幸。
小谷の中を覗くと、なんとびっくり!!!
産屋の中には大きなサメがのたうちまわっています。
トヨタマビメ、実はサメだったんですね。
山幸はサメの姿に驚いて、逃げ出してしまいました。
覗かれたことを知ったトヨタマビメ。
もう恥ずかしくて恥ずかしくて、海神の宮へと逃げ帰ってしまいました。
そのとき、置いていってしまう子のためにと、自身の両乳房をもぎ取って、産屋近くの洞窟の天井にくっつけたとされています。
なんてファンキーなんだ…
母乳がよく出るんだって。
ここで生まれたのが、ウガヤフキアエズ。
漢字で書くと、鵜葺草葺不合命。
鵜の羽を屋根に葺き合える前に生まれた子、です。
このウガヤフキアエズは、海神の宮へ帰った母が世話役として派遣した妹(トヨタマビメ)と結婚。
(つまり育ててくれた叔母と結婚)
その二人からは生まれたのが、
五瀬命(いつせのみこと)、稲氷命(いなひのみこと)、御毛沼命(みけぬまのみこと)、最後に若御毛沼命(わかみけぬのみこと)。
若御毛沼命(わかみけぬのみこと)を別名、
神倭伊波礼毘古命
(かむやまといわれびこのみこと)
この方がいずれ、日本の初代天皇である『神武天皇』としてご即位される方です。
高天原からきた神様と、海や山といった地上の神様たちが縁を結び、
神から人への移行期間とも言えるこの時代のことを
『日向三代(ひむかさんだい』と言います。
ここまでの話が、古事記上中下構成の『上つ巻』。
ここからは、神武天皇として即位される前の『カムヤマトイワレビコ』の物語が始まります。
そんな、古事記中つ巻のお話はまた次回。
おまけ
鵜戸神宮亀岩
本殿前の新磯には、海神の宮からトヨタマビメが乗ってきたとされるカメが岩になった『亀石』があります。
背中には枡形のくぼみがあって、投げた『運玉』が見事入ったら願いが叶うとされてます。
男性は左手、女性は右手で投げます。
宮崎観光では外せないスポットです!
鵜戸神宮
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