妻の死後悲しみ続けるイザナキは、死者の国である黄泉の国へと行くことにしました。
まず最初に簡単なマップをお見せしますと、こんな感じ。
そして国生みで作られた地上の世界が『葦原中つ国(あしはらのなかつくに)』
死者の国である『黄泉の国』
他にも『根の堅洲国(根の国)』や『常世の国』とか出てきますが、今は大丈夫。
取りあえず図の3層構造だけわかってれば問題なしです。
愛妻との再会
さて、黄泉の国についたイザナキは、なんとか愛妻との家まで辿り着きます。
「美しい我妻よ。私たちが作る国はまだ途中です。一緒に帰りましょう!」
「もう少し早くきてくれればよかったのですが…私はもう黄泉の国の食べ物を食べてしまったので、こちら側の住人になってしまったのです。だからもう戻れません。」
「そこをなんとか」
「じゃあせっかくきてくれたのですし、帰してもらえるよう、黄泉の神々に相談してきますね。でもその間絶対に扉を開けて、私の姿を見ないでくださいね。絶対。」
「もちろん!!」
(もうお約束の匂いがする・・・)
開けないでね、のお約束
待てど暮らせど、イザナミは戻ってきません。
待ちきれなくなったイザナキは、約束を破って扉を開けてしまいます。(やっぱり)
真っ暗な御殿の中を、櫛に灯した明かりを頼りに進みます。
するとそこには…
腐って蛆まみれの妻の姿が!!!
しかもその体には、恐ろしい雷神がたくさんついています。
驚いたイザナキは必死に逃げます。
しかし恥をかかされたイザナミも黙ってはいません。
黄泉の国の恐ろしい醜女(しこめ)たちに、夫を追跡させます。
すごい勢いで追いかけてくる醜女たち。
追いつかれそうになったイザナキは、髪につけていた蔓草を投げます。
するとその蔓からブドウが実り、醜女たちはむしゃぶりつきます。
次にイザナキは醜女たちに向かって櫛を投げます。
すると今度は筍がニョキニョキと生え始め、醜女たちはまたもむしゃむしゃと食べ始めます。
うまく逃げられたかに見えたイザナキでしたが、
今度は八種の雷神と千五百の黄泉の悪霊たちが追いかけていきます。
後ろ手に十握剣を振りながら逃げるイザナキ。
ようやくたどり着いた黄泉比良坂(黄泉の国と地上との境目)には、一本の桃の木が生えていました。
イザナキは桃の身を3個取り、追手に向かって投げつけます。
すると不思議なことに、悪霊たちは逃げ帰っていきました。
最後の最後に、妻登場。
腐った体を引きずりながら、夫を追いかけてきます。
永遠の別れ
イザナキは千引の岩(ちびきのいわ)という大きな岩で黄泉比良坂をふさぎ、黄泉の国と地上とを分け、逃げ果せることができました。
大岩を挟んで喧嘩する二人。
「あなたがそんな風にするなら、私はあなたの国の人を1日に千人殺しますからー!!」
「あー結構。ならこっちは1日に千五百の産屋を建てるから!!」
こうして二人は大喧嘩の末、ついに決別してしまいました。
かくして現世では、1日に千人が死に、千五百人が生まれることとなったそうです。
黄泉の国に残ったイザナミは名を『黄泉津大神(よもつおおかみ)』と変え黄泉の国の大神として、逃げ帰ったイザナキは現世を治める大神として、それぞれ新たな道をを歩み始めます。
イザナキのこの後の話はまた次回。
私の故郷が舞台の話です!
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